音楽理論:024
「調性外のコードの使用」というのは音楽の非常に面白身のある側面の1つです。音楽理論を少し覚えてくると、特にダイアトニックコードを覚えたての時期は少し難しい試みに思えるかもしれませんが、理屈が解れば避けるようなものではないことが分かるはずです。セカンダリードミナントは手軽にそんな調性外のコードを使う1つの手法です。
セカンダリードミナントとはトニック以外のコード(トニックの代理コードも含む)に対してドミナントモーションをしてみようという試みです。そもそもドミナントモーションとはコード進行に於いて強い結びつきを持たせる働きがありますからそれによってよりコード進行に流れを生むことになります。
まず下記の譜例1をご覧下さい。キーCメジャーで、そのダイアトニックコードだけでできているものです。
譜例1
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MIDIファイル
では2小節目の2拍目のAm7からDm7という部分にセカンダリードミナントを生成してみましょう。つまりDm7をトニックコード(Im7)として見立てるのです。Dm7に対するドミナントコードはA7ですから、Am7をA7にするということになります。
譜例2
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MIDIファイル
こうすることによりまた少し違った流れになりました。こういったセブンスコードのことをセカンダリードミナントというのです。間違えてはいけないのはどちらが正しいか?(Am7かA7か)ということではなく、よりコード進行に流れを持たせるための1つの手段であるというだけです。この例でも人に依ってはAm7の方が良い、とする方もいるでしょう。
セカンダリードミナントのようなコード進行は一時転調とも呼びます。その名の通り一時的に転調しているという考え方です。譜例2で言うとキーCメジャーの中に部分的にキーDマイナーが含まれている、ということになります。
ではこういったセカンダリードミナントの部分ではどういったスケールを使うと良いでしょうか?可能性はいくらでもありますが妥当なのは転調先のキースケールを使うのが良さそうです。譜例2の場合はDマイナースケールということになります。譜例2ではメロディックマイナースケールを採用しましたが、ハーモニックマイナースケールでやってみると以下のようになります。
譜例3
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MIDIファイル
Dハーモニックマイナースケールにはb♭が含まれていて、コードA7のa音に対しては短2度音程でぶつかり合ってしまいますし、同時に弾いている低音部のeとも減5度音程で不安定なので少しすっきりしませんね。しかし、今回はそうだったというだけで音域や様々な要素が変われば違った結果になることもあります。
参考までにセカンダリードミナントの応用でドミナントコードの連続というコード進行もよく見かける手でこれをダブルドミナントと呼びます。少し強引ですが上記の譜例を用いてダブルドミナントを作ってみると、2小節目のCとA7の間に経過和音的なものですがB♭7を入れてみました。
譜例4
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MIDIファイル
このコードは次のA7へ裏進行するドミナントコードです。(裏進行については第20項:ドミナントの代理コード>裏コード(置換ドミナント)を参照)